元郵便配達夫の鉛筆スケッチ

 先日のお買い物客のご夫婦は、市外の方でした。
「ここに木村屋独自のパッケージがあると聞いたのだけれど、、無いかしらねー。」と奥様。
しばらくお話を聞いてるうちに、この十日町野遊びの箱ということに気付きました。

 もう15年位も前でしょうか、松代の星峠近くの集落に住む元郵便配達夫のTさんをお尋ねしたのは。新しい小箱入りのパッケージに使うデザインに
前からいいなと思っていた野の花のスケッチを使いたいと決め、思い切ってお電話したのでした。
沢山のA4サイズのスケッチを見せて頂き、5種類を選びました。地域は違っても実家の裏山で遊んでいた私には、懐かしい花々でした。
もっと持って行っていいよのお言葉に、本当は使わなくても手元に欲しかったのですが、大事なものを簡単に頂いてはと遠慮致しました。
ご自身の病や息子さんのことなども話しを伺い、奥様は寒くてはと半纏を背に掛けてくださり、まるで親戚の家に行ったようでした。
 今回買い物にいらした方は、そのTさんの娘さんのご友人で、ここにあると聞いてらしたとのこと。Tさんの息子さんは帰省すると当店に寄って野遊びを買われる事も
お聞きしました。

こんなに嬉しいことが待っていたなんて、思いもしませんでした。野山を上り下りして配達しながら、花をスケッチしていたTさん。
そんなふるさとに思いを馳せて頂きたくて作ったこのパッケージ、これからも大切にしていきます。

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